カープのつぶやき

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田中広輔 FA行使せず残留

11月30日 田中広輔選手が国内FA権を行使せずカープに残留すると発表されました。

 

 毎年2割後半の打率と高い出塁率を期待でき、守備も三連覇を支えた信頼がある優れたショートを再びチームに呼び戻すことができたのはとても大きいです。

 昨今、映画『マネーボール』でもテーマになった「セイバーメトリクス」と呼ばれる各種統計データによる選手評価が持て囃されており、たとえば、守備でアウトをとる能力として評価されるUZRでは田中選手はリーグの中でも低い数値になってしまうことから、田中に高額契約を提示してまでカープに残すことに疑問を抱くファンも一部にはいたでしょう。

 ただ、このデータというのは実はかなり曖昧で、基礎データとなる打球の種類(打球の速さやゴロ、ライナー、フライなど)は人間が判断するものだったり、プラスマイナスの境となる平均値を6球団基準とするか12球団基準とするかで数値が異なってしまいます。

 結局のところ、セイバーメトリクスも数ある評価方法の切り口のうちの一つに過ぎないのです。

 今回、横浜DeNAが田中を獲得調査をしたという記事が出ていましたが、もし横浜に田中を獲られていたらかなり大きな損失でした。なぜなら横浜には確固たるレギュラー遊撃手が存在しないからです。

 ちなみに先程のUZRというデータは出場イニング数(つまり「量」)が数値に大きく影響する特徴があり、DELTA社の2020年データ(10月14日時点、350イニング以上が対象)には横浜の選手が出てきません(昨年は大和選手が入っていました)。

 つまり、今年の横浜はショートのレギュラー不在であり、近年二遊間のタレント不足に悩まされている横浜にとっては、純粋な戦力としても若手の見本となる選手としても喉から手が出るほど欲しかったはずなのです。(横浜ファンの方は決して認めないかもしれませんが。。。)

 昨年、今年は脚の故障の影響もあり思うような活躍ができていませんが、元中日の井端弘和氏によれば、脚が馴染むのに時間がかかるということであり、そのコメントを裏付けるように田中の9〜10月の打撃成績はいずれも打率3割をキープするなど、明らかに復調気配にあるため、順調にいけば来年は本来の能力を発揮してくれるはずです。

 また、単に選手としての能力だけでなく、攻撃の時間を単調にさせないよう自発的にファールで粘るなどの作戦遂行能力の高さや、選手会長を務めるモラルの高さなどは単純なデータだけでは見えづらい長所であり、改めて残留という選択をしてくれたことにいちカープファンとして嬉しい限りです。

 現状、カープのショートには小園というトップクラスの有望株が控えていますが、まだ一軍レベルというには程遠く、まだまだ田中選手の力をカープは必要としているはずです。今年は2番という打順でも一定の結果を残し、更なる可能性をみせてくれた田中広輔選手の来シーズンに期待するしかありませんね。